カテゴリ:2017年8月


25日 8月 2017
 お盆に帰省した折に帰りの車中でふと見覚えのある景色に出会った。自分が住んでいた街なので見覚えがあるのは当然なのだが一軒の本屋が気になったのである。帰宅してから調べてみたら昔通っていた貸本屋の場所にその本屋はあったような気がするのだ。気になるので翌週またそこに行ってみた。暑いのに今は暇だからそんなことが出来る。...
18日 8月 2017
 以前読んだ本を書いた人の違う本を読んでみた。読んでいて文章の上手い人だと言う印象があったが共同通信の記者の人だとわかった。時間がかかったが内容も良かったし、他の作品も読んでみたいなと思っていたのだ。そこで調べたらあまり著作はなく村上春樹の評論を出していることがわかったが、実は村上春樹の本は一冊しか読んでいない。それも他人から貰った本で自分からはあまり読みたいとは思っていなかった。貰ったので読んでみたが読後も強い印象は残っていない。しかし読みたいと思う人が取り上げているのだから今度はまた印象も違うだろうと思う。著者と村上春樹と同年齢だと言うことである。と言うことは自分ともほぼ同じである。共通する時代を生きてきたことで内容的には理解が進む場面もある。ほとんど村上作品を読んだことがなかったが、帯文に書かれている「こういう人だったんだ」ということは再認識することが出来た。  タイトルに空想読解と書かれているように本当にそうなのかと言う想いもしたが、それは筆者が後書でことわっているように自分なりの解釈であるということである。でも改めて村上春樹とはこういう人だったのかということが理解できた。そういえば何故ノーベル賞にノミネートされるのかよく知らなかったがそういうことだった。いくつかの作品を取り上げてそれぞれの関連性から持論を展開していく、あるいは他の賞を受賞した時のスピーチ内容から分析していく、本の装丁、作品の朗読などからの分析、村上春樹の色へのこだわりなど、色々な角度から論じられていく。すると原発政策や効率的社会を批判する拘りの文学者が見えてくる。そして作品を通して読者にその答えを迫ってくると言う構造を説いているのだ。知らなかったが改めて本を読んでみようかという所まではいかなかった。作品も結構出ているし読み切れないような気がする。  この筆者の文章は今回も上手いなと言う印象を持った。本人も言っているように内容はわかり易く書かれている。子供にやさしく説明するように論じていくのだ。もったいぶった書き方はなく結論を先に示して解説していく。独自の見方ではあっても納得させられてしまう。前に読んだ本は何回も同じ所を読んだ記憶があるが、自分にとって何が面白いのかというと筆者のしつこい位の理屈っぽい文章が良いのだろうと言うことである。要するに自分はそんな文章が好きなのだ。「空想読解なるほど村上春樹」小山鉄郎(共同通信社)
10日 8月 2017
 地域の中で自分の定年後をどう創っていくのかは結構難しい問題である。仕事をしないでいるとやることが無くなってしまう。趣味を多く抱えている人は忙しいだけだし、実はお金もかかる。何もない人は家にいても邪魔にされていく所も無いという状態になってしまう。図書館や地域の老人福祉センターには日々そんな人達が集まっている。私も誘われているが人見知りが激しいので難しいのではないかと遠慮している。 定年も無かった自分は早くからアルバイト生活になっていたのでそのままずっと同じような生活が続いていた。退職と同時に小さな家を買ってそこに引越しをした。今周辺の人達と月に一回の例会を持ち色々な問題を話し合う機会を作っている。その中から出てくるのは何か地域の中で役に立てたらいいと言うことである。それぞれあれがやりたいこれがやりたいという思いは持っていてもなかなか実際に動き出すことはない。結局誰かが始めればそこに参加しても良いという程度のことなのかもしれない。 なかなか本題に入らないのに又余談だが、子供の頃に家では酪農を営んでいた。朝早くから多くの乳牛が搾乳を求めて鳴き始めるので暗いうちから親は起きだしていた。大変な労働だと思う。そして牛には音楽が効果的だと言ってラジオを大きな音量で流していたのだ。私がまだ寝ている時にスイッチを入れておき、試験放送からNHK放送開始のオルゴールが流れ始める。それを毎日聞いていた。先日思い立ってそのオルゴールをパソコンで調べたらまだFM放送で番組開始に使っていたのが分かって懐かしかった。そのままずっとラジオが流れていくのだが途中で教会の番組がありこれも毎日聞いていた。おかげですっかり洗脳されてしまい教会からパンフレットを送ってもらうようになってしまった。今でも実家には送られてくるようだ。でもその放送で流れていた言葉が自分の生き方に影響を与えているのを実感することがある。「暗いと不平を言うよりも進んで灯りを点けましょう」と言うようなものだったような気がするのだが。
05日 8月 2017
 合間に他の本を読みながらようやく読み終えた。文庫本なのに分量があり苦労した感じがある。ヒトラーがかなりの読書家だったというのは聞いていたが、本のことだけではなくその人柄や死ぬまでの経過が詳しく書かれている。毎日読書の時間を取り、多くの本を読みつづけた。ヒトラーだけではなく周辺の人物像も描かれて当時の時代が良く分かるように描かれている。それゆえにあまり読後感は良くない部分もある。多くの本は紛失(持ち去られて)しているようだが、それでも3000冊ほどが今でも保管されているということである。「ヒトラーの秘密図書館」ティモシー・ライバック(文春文庫)