カテゴリ:2017年10月


26日 10月 2017
どこで買ったのか記憶がない、と言うことは買い取りで入ってきたものかもしれない。世界各国の古書店を巡ってきた紹介文を様々な人が書いている本である。写真も入っているので店の雰囲気もわかって面白い。ただ自分が外国に行くことはもうないだろうと思うのでその雰囲気を楽しむだけだ。旅行中にぶらりと立ち寄ったということが始まりでも、その後何度も本を買いに行っている人もいるのは羨ましい。日本の古書店、古本屋とはかなり違っているようだ。共通しているのは世界でも古書店が少なくなっているということだろうか。色々なケースが見られるが、今の日本の古本業界とは違って古書を大切にするという意識が高いと言うことがわかる。しかし本の好きな人はどこまでも行くものなんだ。「世界の古書店」川成洋(丸善ライブラリー)
20日 10月 2017
 雨模様なのでのんびりと本を綺麗にしていたら突然たすきをかけた人が入ってきた。そういえば投票日までもう少しだ。新聞を止めてしまったら選挙の広報誌も入ってこないので情報が全くない。選挙カーもほとんど回ってこないのは静かで良いのだが候補者の公約もわからない。これで投票しなさいと言われても悩んでしまう。自分の選挙区には投票したい人が立候補していないのでせめて政策の中身くらいはわからないと困る。  さてたすきをかけた人は名前だけ言って帰ってしまった。この近くには対立候補の事務所があるのだが歩いて回っているのだろうか。随分と大胆な行為だと思うがすっかり相手候補を舐めてしまっているのだろうか。その相手候補は過去に市長選に出たときには店に来たが今度は来ないのだろうか。棄権はしたくないので投票には行くが誰に入れればいいのか本当に悩んでしまう。間違って自分の名前を書かなければ良いのだが。
13日 10月 2017
 古本屋に限らず雨の日は書店にとっては辛いものがある。本が紙媒体である以上水に濡れることがあってはならない。店頭や入口に雑誌などを並べている店は特に注意が必要である。知り合いの古本屋は雨で閉めてしまうこともあると言う。かなりひどい雨だったりしたらお客さんだって来ないだろうし本だって濡れてしまうだろうからその気持ちはよく理解できる。それほどの雨でなくても並べてある本が濡れる要素はいっぱいある。お客さんはそれほど気にしなくても店側は緊張しているということになる訳だ。  当店があまり目立たないわかりにくい店なのでお客さんが色々とアドバイスをしてくれる。飲物を出したら良いのではないか、店の前に品棚を置いて安く売ったらどうか、目立つような看板でも出せば良いのに、もっと店の宣伝をしたらいいのではなどである。要するにそういうことをしていないからだ。その上に雨だとしたらこれは悲惨な想像しかできないだろう。そんな時は何をしているのだろうかと不思議かもしれないが、店を開けてそこに居る限りやることは結構あるものなのである。だが今日は買ってきた本を読んで過ごしてしまった。特に欲しかった本ではなかったので雨降りの今日は読書の日にしてしまった。筆者はドキュメンタリー映画を主に撮っている映画監督で、以前勤めていた会社の事業所を舞台にしてその事業形態を映画作品として撮影した人である。その後に何度か集会などにも来てもらっていたので書店で見かけて買ってしまった。いくつかの社会的事件について書かれているが、総体的にその裏側から見た現代社会批判とも言えるだろうか。新しい事実の提起はないがどれも共感できる内容で納得する。悲観的でも行動し続けるという性格がもしかしたら同じなのかも知れない。こうしてぶつぶつ言い続けるのだろうか。「不寛容な時代のポピュリズム」森達也(青土社)
07日 10月 2017
この人の本はこれで三冊目である。最初に読んだ対談本が面白くて名前を見つけると買っているのでまだ読んでいない本が何冊か積まれている。今の所どれも同様に面白いので少しずつ読んでいこうと思っている。「論座」という月刊誌に連載していたもので初めて書いた文章らしい。自分の生い立ちから社会状況まで宗教者としての言葉が綴られている。何が面白いのだろうと考えてみると一つは宗教に対する深い想いがわかりやすく書かれているからではないかと思う。加えると文章の上手さとこの人の人間性のようなものだろうか。少し理屈っぽい所も気に入っている。連載されていた文章なのでどこから読んでも短くて読みやすいし、わかりやすく書かれている。最後はまるで落語のような終わり方でまとめてある時もある。帯には「いま、新しい禅僧が登場した」と書かれているが、宗教の言葉や中身をわかりやすく伝えようとしているのが理解できる。この人はまだ問い続けていくのだろうか。この後は最新作を読んでみるつもりである。「語る禅僧」南直哉(朝日新聞社)
01日 10月 2017
お客さんに薦められて読み始めた本がある。40代の若い大学教授の対談と言う形式で構成されているが、タイトルから想像できる社会主義的な思想からは少し離れて市民参加型の地域共同体づくりが語られている。折しも社会状況は選挙の真っ最中で中央では政治ゲームのようなことが行われているのでぴったりの本である。既に一度読み終えているが、また再読してみた。さらに面白いのでいくつかの個所を読んでみたいと思っている。 今の社会状況が19世紀のイギリスに似ているという。確かに貧困や格差は顕著になっているが、日本はこれから新しい高齢社会になっていくのである。そこでは今までの経験とは違った新しい社会がつくられていくことになる。政治的にも変化が求められてくるだろうし、若い人たちがどのように考えているのかは大いに興味がある。今は自分が次世代の人たちの役に立つことがあるのかと模索している所である。「僕らの社会主義」國分功一郎・山崎亮(ちくま新書)